登山時に遭遇する山の動物たちについて

山の野生動物~自然とのふれあいを大切にする

山の野生動物を見たいために、登山に登る人も最近は増えています。特に報道によって、知床などの知名度が挙がると、安易な考えで訪れてしまう観光気分の登山者や入山者も多くいますが、野生の動物と人間の生活はまったく違うということを覚えておいてください。
一番やってはいけないことは、野生動物を捕まえようとしたり、エサを与えて人間に慣れさせてしまうことです。一部の決まった野生動物以外を捕獲しようとすると、法律に違反することになり、厳しく罰せられます。ですが、現在でも貴重な野鳥などを捕らえるために入山する心無い人もいるということで、登山を愛するものとしては心が痛むばかりです。
また、野生動物に、エサを与えるようなこともしないでください。可愛いからという理由で、エサを与えてしまうと、動物たちは人間を恐れなくなってしまいます。その結果、彼らの生息範囲やもって生まれた警戒心などが失われることになり、人里に姿を現すようになってしまいます。それは人間、動物の両方を結果として不幸にしてしまうことにつながっていくのです。
野生の動物たちとの出会いは、登山の大きな楽しみですが、なるべくそっとして、遠くから見るだけに留めておくようにしてください。もちろん、写真撮影などは問題がありませんが、彼らの生息する地域を必要以上に踏み荒らしたり、接近しすぎないようにしてください。

野生動物で危険な動物 -クマ

毎年、登山者でクマに襲われる被害が発生しています。クマの被害は、登山者だけにとどまらず、その付近の住民にも発生しており、非常に気をつけなければならない動物といえるでしょう。本州、四国、九州に生息するのは体長1,6メートルのツキノワグマと、北海道に生息するのは、体長約2メートルのヒグマがおり、ヒグマの方が体長は大きいですが、やはりどちらも人間を襲うという事例が年に何回か報告されています。また、死亡事故もしばしば発生しているので、一番に注意しなければならない動物といえるでしょう。ヒグマもツキノワグマも、鋭い爪と牙を持っているために、人間が襲われてしまうとひとたまりもありません。
クマの行動範囲は、人間の生活範囲が広がるにしたがって、クマとの接点も増えて来ました。また、人間の食料品などを求めて人里で目撃されるようになりました。クマは基本的には雪の降る地方では冬眠しますので、春から秋にかけて目撃されるようになります。特に注意が必要なのは、まず、春先の小熊を連れている母親クマです。ちょうど子育てで神経が過敏になっているので、人間に対しても警戒心をむき出しにします。安易に彼らの縄張りに入ると襲われる可能性があります。また、食べ物の残飯などでも集まってくる可能性があるので、しっかりと残飯は処理するようにしましょう。近年では、クマが民家に入ってきたケースなども報道されるようになってきました。
また、次に気をつけなければならないのが、秋のシーズンです。この時期にクマは冬眠をするために、多く食事を採らなければなりません。そのために、人里など人間の住む地域で普段よりも頻繁に見られることが多くなります。また、通年を通して言えることですが、経験の少ない若いクマは好奇心から人里に下りてくることが多いようです。そのようなときに、クマに遭遇する可能性が高いので注意が必要といえるでしょう。
クマに遭遇しないためには、爆竹や鈴を鳴らして、人間の位置を予め知らせると良いとされています。そうすることで、クマも決して人間を襲いたいわけではないので、警戒して予め遭遇する危険を避けるようになるということです。また、クマに遭遇したときにいろいろな説を言う人がいますが、基本的にはクマの目を見るようにしてください。背中を見せるのが一番危険であり、背後から襲われる危険性が高くなります。間違っても、パニックになって逃げたり、死んだふりをするような真似をしても効果はありません。まずは冷静にクマの動きに注目し、必要以上に驚かせないことです。
次に、気をつけなければならない野生動物は、毒蛇が挙げられるでしょう。日本に生息する毒蛇であるマムシがあげられるでしょう。マムシは北海道から九州まで幅広く生息しており、登山をしていれば遭遇する危険性は誰にでもあります。体長は45センチから80センチとヘビの中では大きく、20前後の楕円形の模様があるのが特徴です。

野生動物で危険な動物 -ヘビ・ハチ

マムシ、またはヘビに遭遇したら、刺激しないで彼らの側を歩かないようにすれば、基本的に危険は無いでしょう。ですが、万一噛まれるようなことがあれば、血清が必要になってきます。必ずしもかまれたからといって、死に至るわけではありませんが、その可能性は十分にあります。マムシに噛まれた場合、毒を吸い出すのが有効といわれていますが、素人による手当ては逆に悪影響を及ぼす可能性があるので、下手な処置を加えない方が良いでしょう。安静にすることが一番ですが、一人の場合には、どのような方法をとるか、判断しなければなりません。一般的にマムシに噛まれると、一時間後に傷口がはれ上がり、その後に発熱や意識混濁が見られる場合があります。これが見られない場合には毒素を注入されなかった可能性もありますが、速やかに医師の処置をしてもらうことが必要でしょう。
また、スズメバチも要注意の動物である。清涼飲料水などにスズメバチが近づいてきて、落下するようなこともあり、気づかないで飲もうとして刺されるなどのケースには注意が必要であろう。スズメバチによる死亡例は過去に何例も報告されており、一度に2,3箇所指されると、死に至るケースもある。また、スズメバチに限らず、過去にハチに刺された経験のある人は、アナフィラキシーショックを起こして呼吸困難を引き起こし、死亡に至る可能性があるので、注意が必要です。すぐに医師による処置をしてもらうようにしましょう。
また、応急処置としては、刺された患部をつまんだり、吸引機を使ったりして吸い出す方法があります。このときに、口によって吸い出す方法はしないようにしてください。また、傷口はすぐに水ですすぐようにして、毒を洗い出してください。また、毒を不活性化させるために、お茶などのタンニンが含まれているもので洗うとよいとされている。

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