登山という楽しい楽しい行為は、危険と隣り合わせ。
「こんなはずじゃなかったのに!」
「こんなときはどうすれば良いの!?」
登山中に何かトラブルに遭ってしまった場合、何も知識をつけていない状態だと命を落としてしまいかねません。
これは大げさに言っているのではなく、登山を行なっている人の中では当たり前のこと。
野球に例えてみましょう!
ヒットを打った場合、どっちに走れば良いかわかりますか?
ファースト方向(右)ですよね。
それをわかっているのは、知識として野球の情報があるから。
それと同じで、登山の知識がないとどちらに進んで良いか分からなくなったり、トラブルに遭遇した場合、なにを行うべきかが見当もつかなくなったりしてしまいます。
そんなことがないように、この記事では登山初心者の方へ向けて、登山時のトラブルや事故を回避する方法をお伝えしていきます。
もくじ
登山初心者は知っておくべき!登山初心者が気をつけるべき登山時のトラブル・事故とは?
毎年、登山では多くの方が亡くなっています。
滑落や遭難など、登山時の事故やトラブルは絶えないからです。
この記事では、毎年多くの登山者が見舞われている『道迷い』や『転落・滑落』、『捻挫』、『高山病』、『落雷』、『動物との遭遇』という登山時に大変起こりやすいトラブルを紹介していきます。
回避方法も紹介しているので、登山初心者の方は参考にしてみてください。
道迷い
山でもっとも起こっているトラブル・事故って何だと思いますか?
それは、道迷い。
こちらの画像を見てみてください。
引用:平成28年における山岳遭難の概況
※上記資料には登山以外にも山菜・茸採りが含まれている。
平成28年の山岳遭難は2,929人で、うち死者・行方不明者は319人となっています。
なんと山岳遭難者2,929人のうち、道迷いに遭った人は約40パーセントにも上るそうです。
平成19年度の山岳遭難発生件数とを比べてみましょう。
登山が多くの人に楽しまれるようになったからか、遭難者は1,000人以上、死者数は60人増えています。
楽しむ人が増えたからこそ、より注意して登山を楽しみたいものですね。
遭難を回避する方法
道迷いが全体の約40パーセントにまで上るとお伝えしましたが、では、どうやって道迷いを回避すればいいのでしょうか。
原因を挙げるとするならば、道が急に消えてしまったや地図と違う道が現れた、分岐地点を誤る、などが挙げられると思います。
どんなに注意していても、道迷いしてしまうときはしてしまうもの。
もし道に迷ってしまったら、まずは落ち着くことが大事です。
慌てずに今までの道のりを思い出してみましょう。
どこで道を間違えてしまったか思い出し、間違えてしまった地点に戻るように行動してください。
もし完全に道に迷ってしまった場合、山から降りようとするのではなく登るようにすると、滑落などの危険から身を守ることができます。
ビバークすることも考え、ツェルト(簡易テント)を持参するのも、身を守る一つの方法です。
どんなに山に慣れている登山者でも一時の気の緩みから道に迷ってしまうこともあるので、登山初心者の方は登山を楽しみながらも、登山経験者よりも気を引き締めるように行動してくださいね!
転落・滑落
道迷いに次いで山で起こるトラブル・事故は、「滑落・転倒」です。
滑落と転倒の被害人数を合わせると、道迷いの1,116人に匹敵する969人もの人が滑落や転倒の被害に遭っていることが分かります。
山で転倒するということは、そこらへんの道で転倒するのとはワケが違います。
周りは岩場だらけで、ひとたび転んでしまうと、頭や身体を尖った岩場にぶつけてしまうということも。
登山中の転倒は即ケガに繋がるということですね。
転落・滑落を回避する方法
転んでしまうと怪我につながりやすい滑落・転倒ですが、回避するにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、滑落や転倒が起こりやすい場所を知っておくということです。
実際の場所として知っておくのはもちろん、滑落・転倒が起こりやすい場所の条件を知っておくことが大切です。
滑落・転倒が起こりやすい場所の条件、それは、下山中です。
登山初心者の方は、山に登っているときのほうが事故が起こりやすいと思っている方もいるかもしれませんが、本当に恐いのは下山中!
下山中は登山中よりも筋肉への負担が高く、筋疲労が溜まりやすいため、滑落・転倒などが起こりやすいのです。
そのため、下山中は登っている最中よりも多くの注意を払う必要があります。
また、登山に挑戦する前に体力をつけるトレーニングをすることで、滑落や転倒に巻き込まれる危険性は低くなります。
登山道具だけではなく、身体の準備も万全にして登山に挑んでくださいね!
捻挫や高山病、擦り傷などのトラブル
捻挫や高山病は登山中に頻繁に起こりうるトラブルです。
例えば、岩場で足を取られ捻挫してしまったり、草木に囲まれた道で擦り傷・切り傷を負ってしまったり。
酸素が薄く、体力に限界がきているときには高山病や日射病などにかかってしまうこともあります。
捻挫や擦り傷といった軽い症状でも、登山中には命取りになる危険があります。
では、そういったトラブルからどうやって回避すればいいのでしょうか?
捻挫・高山病などのトラブルを回避する方法
捻挫を回避するためには、登山に適した歩き方がカギになってきます。
上記の動画を見てわかるように、登山時の歩き方と普段の歩き方は違います。
登山用の歩き方を身につけ、登山を行うようにしてください。
擦り傷・切り傷を回避するためには、長袖・長ズボンという格好で登山をするようにしましょう。
肌を守ることによって擦り傷・切り傷を回避することもできる上、体温調節にも一役買ってくれること間違いなしです。
最近では、吸水速乾性や保湿性に優れたものがたくさん売られているので、登山するのに必要な機能性のものを購入するといいですよ!
落雷
「山の天候は変わりやすい」
なんて聞いたことはありませんか?
そう、山は天候が変わりやすいのです。
とくに夏場は落雷の危険性が高まる時期です。
そういった時期には登山中に雨に降られることは多々あり、雷雨に遭う可能性も高いです。
そういう場合、どういう行動を取るのが正しいのでしょうか?
落雷を回避する方法
雷雨に遭ってしまった場合、すぐに山小屋か避難所に向かってください。
ひらけた場所や川辺は雷が落ちる危険性が高く、そういった場所へ行くことはしないようにしてください。
小屋に行くまでにいくつかの守りごとがあります。
- 集団で避難しない(離れて逃げる)
- 傘をたたみ、トレッキングポールなどの飛び出ているものをしまう
- 雷と雷の間に逃げる
小屋に着いても、安心してはいけません!
小屋に着いても、いくつかの守りごとがあります。
- 地面を伝った電流が体に流れる恐れがあるので、姿勢を低くした上で、ザックをお尻の下に。
- 電子機器の側には寄らず、部屋の真ん中にいる
上記のことをしっかりと守り、落ち着いて逃げるようにしてください。
危険な動物との遭遇
よく、ニュースなどで「クマが出没」なんて聞いたことはありませんか?
山のニュースに耳を傾けている人なら何度も耳にしたことがあるニュースだと思います。
山ではさまざまな種類の動物と遭遇する機会があります。
中には上記で言及したクマのような、遭遇すると命の危険があるような動物だっているのです。
人間に危害を加えない猿やニホンカモシカ、カエルなども山では生息しています。
遭遇してしまったら命に危険がある動物に出会わないためには、どうすればいいのでしょうか?
危険な動物との遭遇を回避する方法
クマのような命に危険がおよぶ動物に出会わないようにするために大事なこととして、登山前に山がある市町村役場などに電話して確認することが挙げられます。
何を確認するかというと、クマなどの出没情報。
そういった情報を事前に確認してから登山をすることで、命の危険を大幅に減らせます。
また、熊鈴をつけ事前に人間の存在を知らせることでクマが逃げていくこともあるので、できる準備はしっかりとして登山しましょう。
クマが人を襲うニュースはときどき見かけますが、実はクマは、好んで人を襲うような動物ではありません。
繁殖期や食糧不足といった理由があって、クマは人を襲うのです。
登山者の捨てた食べかけのゴミなどに味をしめてしまい、人前に出てしまうことも。
自分や他人がクマに出会わないためにも、もちろんクマのためにも、ゴミは持ち帰りたいものですね。
登山時のトラブルを回避するには、自分から積極的に情報を収集しよう!
今回は、登山時のトラブルを回避する方法を簡単に紹介しました。
山にトラブルはつきもの!
それゆえに、自分から積極的に情報を収集していくようにしましょう。
楽しい登山を悲しいものにしたくはありませんからね。
対処法を知っていることで、命の危険は大幅に減らせます。
登山を楽しめるかどうかは、あなた次第ですよ!
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