「登山に挑戦してみたいけど、登山について何も知らない……」
「特別なマナーなんてあるのかしら?」
と、登山についてハードルを勝手に感じてしまい、なかなか一歩を踏み出せない人は多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな登山初心者に向けて、登山初心者が押さえておきたい登山の基礎知識をお伝えしていきます。
もくじ
山に登る前にこれだけは押さえておけ!登山初心者が知っておくべき登山の基礎中の基礎知識
登山に挑戦したくても、「何かマナーの悪いことをしてしまったら」なんて考えると登山を楽しもうとする心にブレーキがかかってしまいますよね。
それはもったいない!
息が上がりながらなんとか登った山の頂上で見る景色は、とにかく素晴らしいもの。
山での他の登山者との出会いや別れも、登山の醍醐味と言ってもいいほどです。
そんな登山の醍醐味を少しでも早く味わうために、最低限の知識は頭に入れ、早く山を登りにいきましょう!
挨拶は登る側がしよう!
山で一番大事なこと、それは挨拶です。
街ではすれ違う人と挨拶を交わすなんてことは、知り合いでなければなかなかしないですよね。
しかし、山ではすれ違う人との挨拶が基本です。
山での挨拶は、「ただ声をかける」という意味だけではなく、山の情報や登山者の体調、同じ目的を持った人たちのコミュニケーションツールとしての機能を果たしてくれるのです。
ここで大事なこととして、挨拶するのは登る人から、という点。
登りの方が息が上がり体力的にキツいので、下りの人から声をかけて挨拶を促すことのないように、挨拶は登りの人からするようにしましょう。
他の登山者とすれ違うときは登る側が優先!
山には、人が一人しか通れないような細い登山道がたくさんあります。
その場合は、登りの人が優先されます。
なぜかというと、登りの人の方が体力的にキツく、できることならペースを変えたくないから。
さらに、下りの人の方が前方からやってくる登山者に気付きやすいということも挙げられます。
登りの登山者は体力的にキツいことから下を向いてしまうことが多いのです。
そんな登りの登山者に反して、下りの登山者は高いところから降りてくるために前方の人影などに気付きやすく、そんな両者の関係から、下りの登山者が登りの登山者に道を譲ってあげることが山での基本的なマナーだとされています。
ただ、混み合う山などでは登りの登山者が連続してしまう場合があります。
そんなときはお互いに声をかけ、無用なトラブルを避けるようにしてください。
絶対にコースを外れてはいけない!
大丈夫そうに見えても、足場が脆い場所が山にはたくさんあります。
そういう場所は大抵、安全のために張られたロープの外側だったりするもの。
足場が脆い場所は、とにかく事故が起こりやすいのです。
「良い撮影ができそうだ」
「綺麗な草花を発見した」
なんて思っても、草の下は崖だったり雪の下は雪庇だったりするもので、安全に整備された登山道から外れる行為は「死」を意味します。
しかも、自分だけではなく他人をも巻き込んでしまう行いでもあるのです。
落石を起こさない登山を心がけよう!
安全のために張られたロープの外側に出てしまうと、足場が悪いことから小石などの落石の危険も生まれてしまいます。
例え小さな石だとしても、高い場所から転がり落ちればそのスピードは目を剥くほど速くなってしまうのです。
そんな凶器とも言えるスピードで転がっている石が、下で歩いている登山者に当たってしまったら一大事ですよね。
自分が死なないため、他人を殺さないため、安全のために張られたロープの外から出ることはしないようにしましょう。
ロープの外に出ていない場合でも落石を起こしてしまった場合は、「ラク(ラーク)!」と下の登山者へ大きな声を出すことで、危険を伝えることができます。
山登りは楽しむことが大事!登山初心者が山を楽しむための基礎知識
「早く山に登りたい!」
「登山が楽しみでしょうがない!」
と、山についての基礎知識や山に対しての危険を学んだことで、山への興味はますます上がったのではないでしょうか。
この章では、より山を楽しむために覚えておきたい基礎知識をお伝えしていきます。
登山初心者にオススメの時期は◯月!
登山初心者にオススメな登山の時期とは、いつなのでしょうか?
それは、3〜5月!
「早く山に登りたい!」
という気持ちはわかりますが、登山初心者には危険がつきまとうものです。
3〜5月は、春の始まりや夏への入り口だったりする季節ですよね。
若葉が萌え、植物が芽吹くこの季節は登山初心者にとって最高に気持ちの良い登山を体験することのできる季節です。
歩いていても軽く汗ばむ程度で気温もそれほど高くはないことから、登山初心者にオススメできる季節となっています。
しかし、標高が高い山は春でも雪が降るので、登山初心者の方は500メートル以下の低山を選ぶようにしましょう。
低山でも朝・夕はまだ冷えるので、防寒対策は万全を期すようにしてくださいね!
登山専用の服装や靴を揃えてから登ろう!
低い山だといっても、軽装での登山には危険がつきものです。
そこらへんにショッピングにでも行くのかというほどの軽装で登山をしている人をたびたび見かけますが、山を舐めてはいけません。
夏場でも雨が降ったりすると、低体温症に見舞われることさえあるのです。
そうなってしまっては、せっかくの楽しい登山も最悪な思い出に変わってしまいますよね。
体調を崩して最悪な思い出にしないためにも、準備はしすぎておいて損はありません。
そのためにも、登山では「動きやすさ」や「レイヤリング(重ね着)」を意識した服装が大事なんです。
服の脱ぎ着をすることで体温調節ができ、余計な汗をかかなくすることで体調不良に襲われるリスクを減らすことができるからです。
最近ではオシャレな登山用具が多いですが、まずは見た目より機能性!
登山初心者が日帰りで登山するなら、以下の服装を心がけるといいですよ。
綿密に計画を立てるのと同時に、装備にも気を配ってみてください。
帽子
直射日光によって体力を奪われ、体調を崩してしまう人が多いです。
帽子をかぶることによってそういった危険性を減らせるので、帽子はかぶるようにしましょう。
雨が降ってもいいように、レインハットを選ぶといいですよ。
アンダーウェア
アンダーウェアには、汗を速乾するものを選ぶようにしましょう。
アンダーウェアは多くのスポーツブランドから発売されているので、自分の好みのものを探してみてください。
基本的にアンダーウェアは、夏でも冬でも長袖タイプのものを選ぶと、体温調節や怪我などに一役買ってくれます。
ショートパンツとタイツ
速乾性のあるタイツの上からショートパンツを履くことで、体温調節を容易に行えます。
通気性のあるショートパンツがオススメです。
靴下
保湿力の高いウール素材の靴下がオススメです。
歩行中に蒸れてしまわないような靴下が、登山では大事です。
抗菌消臭効果のついた靴下だといいですね。
レインコートや防寒具
雨によって体温を奪われないように、レインコートや防寒具は季節を問わず持って行くようにしましょう。
普段とは歩き方が違う!登山専用の歩き方とは?
登山の際には、歩き方が大事になってきます。
歩き方一つで足への負担や膝への負担が違ってくるのです。
まずは、以下の動画を見てみてください。
細かく歩き方について解説してくれています。
いかに足に負担をかけない歩き方ができるかが大事なんですね!
地面への足のつき方や落石を生まない歩き方など、普段とは違う歩き方が必要になってきますが、少しでも登山を楽しめるように参考にしてみてください。
マナーを守って登山をしよう!初心者が知っておくべき登山マナー
登山での基礎知識や登山を楽しむための時期、服装などを書いてきましたが、ここでは登山初心者が気をつけるべきマナーをお伝えします。
登山者がマナーをお互いに守ることで、誰も嫌な思いのしない登山ができるといいですね。
植物採取はダメ!ゼッタイ!
登山初心者の方がよく勘違いしてしまうのが、山に自生している植物などの採取です。
「家で待っている家族に綺麗な花を持って帰ってあげたい」
なんて優しい気持ちからか、植物を摘んでしまう人がいます。
登山者が山に自生している植物を採取してしまうことは、山の生態系が崩れ、山を壊してしまうことにつながります。
植物の採取は絶対にしないよう心に留めておいてください。
基本的にゴミは持ち帰ろう!
山でのルールとして、自分が出したゴミは自分で持って帰りましょう。
アルミやプラスチックは地中に分解されることはなく、そのままゴミとして放置されてしまうと、山自体を傷つけてしまうのです。
登山中にゴミを見ると、気持ちの良いものではありませんよね。
落ちているゴミを見かけたら、自分のものではなくても持ち帰るようにしてみてください。
喫煙する際は携帯灰皿を持参しよう!
よく、山火事のニュースを見ることはありませんか?
そういう場合、たった一本のタバコが引き金になっているケースが多いのです。
火事にならなくとも、有害なものであることに変わりはありません。
タバコを吸う人は携帯灰皿を持ち運ぶように心がけてください。
トイレは山を登る前にすることを心がけよう!
山には、トイレが決して多くは設置されていません。
排泄物の処理にはお金がかかることから、有料のトイレも数多くあります。
なので、登山開始前にトイレをしっかりと済まし、登山中は催さないようにしましょう。
ただ、いくら事前にトイレに行っていたとしてもお腹が痛くなってしまったりすることはありますよね。
その場合は、安全な場所で地中に穴を掘り、そこでするようにしてください。
終わったら土で穴を塞ぐようにすると、他の人への迷惑にはなりませんよ!
登山初心者は陥りがち?山を登る上で登山初心者が気をつけるべきこと
ここでは、山を登る上で登山初心者が気をつけることを紹介していきます。
登山初心者が陥りがちなことを知っておけば、初めての登山でも、山をより楽しめるでしょう!
ゆっくり自分のペースで歩こう!
登山初心者が陥りがちなこととして、歩くスピードが挙げられます。
「えっ、歩くスピードなんて大事なの?」
なんて思うかもしれませんが、これがすごく大事なんです。
思い出してみてください。
先ほどの歩き方の動画で、とにかくゆっくり歩くことが大事だと、言ってはいませんでしたか?
登山は予想以上に体力を使うので、オーバーペースで登山を行うことで、怪我や高山病といったさまざまなリスクを負ってしまうことになるのです。
登山では、ゆっくりしっかり歩くことを心がけてください。
万全な体調で登山に挑もう!
登山では、体調を崩してしまうことが命取りです。
命の危険に関わるのです。
登山予定日の一週間前から体調管理を始め、登山当日には万全の体調で登山に臨めるようにしてください。
食事管理やしっかりとした睡眠を取ることで、心ゆくまで登山を楽しめますよ!
登山中のアルコール摂取は命の危険!
こちらも体調管理と似ていますが、登山中のアルコール摂取は控えるようにしてください。
気圧が低い場所でアルコールを摂取することで、普段は酔わない量のアルコールでも簡単に酔いがまわってしまいます。
登山中に泥酔なんて、それこそ死にに行くようなものですよね。
音楽を聴きながらの登山は危険がつきまとう!
登山初心者の方に有りがちなのが、音楽を聴きながら山を登ること。
一人で登山をしている人に多いように感じます。
音楽を聴きながらの登山って、実はすごく危険なのです。
「ただ音楽聞いて歩いているだけじゃないの?」
なんて思う人もいるかもしれませんが、山では落石や動物との遭遇などがあり得るため、耳をふさいでしまう行動は命を危険に晒す行動でもあります。
落石を起こさないような歩き方が大事、とお伝えしましたが、誰かが起こした落石や「ラク(ラーク)!」という声に気づかなかったら、大怪我を負ってしまう可能性が高くなります。
そのため、音楽を聴きながらの登山はやめましょう。
山にはさまざまな音があります。
朝露がしたたる音や地面を踏みしめる音、鳥のさえずり、風が吹いたときの葉が擦れる音など、山独特の音を楽しむことこそが登山の醍醐味ですよね。
登山初心者にオススメ!日帰りできる東京近郊の山を2座紹介します
ここでは、登山初心者にオススメの、日帰りできる東京近郊の山を紹介します。
登山初心者にとって、「体力がどこまで続くのか」や「楽しめるか(苦しくないか)」などが気になってくると思います。
これからオススメする山は、楽しめて辛くない初心者向けの山なので、最初に登山する山としてはオススメですよ!
高尾山/東京都
一つ目に紹介するのは、東京都八王子市にある「高尾山」です。
高尾山は標高599メートルの山です。
なぜ高尾山が登山初心者にオススメかというと、登山道が舗装されていてスニーカーでも歩けるから。
「自分に登山が合わなかったら無駄になってしまう」
「どれを買えばいいのかわからない」
なんて、登山装備についてあれこれ考えてしまいがちな登山初心者にとって、スニーカーでも登山できるというのは嬉しいですよね。
他にも、中腹までロープウェイが走っていたりトイレが所々にあったりと、登山する人にとても優しい山なのです。
道中には売店も豊富な上、頂上には「やまびこ茶屋」というお蕎麦屋さんがあり、そこで食べるとろろそばは疲れた身体に染み入る美味さです!
大山/神奈川県
大山(おおやま)は神奈川県伊勢原市と秦野市、厚木市の境にある山です。
標高は1,252メートルなので、高尾山と比べれば倍以上もの大きさがありますね。
しかし、登山道は登山初心者やファミリーでも比較的簡単に踏破できるほどなので、安心して臨むことができます。
大山がなぜ登山初心者にオススメかというと、大山は日本三百名山であり、関東百名山の一つでもあるから。
日本百名山に選ばれた大山の景色を楽しみながらの登山は、いつまでも色褪せることのない思い出として心の中に残るでしょう。
ケーブルカーで中腹の阿夫利神社まで行くことができ、阿夫利神社から眺めることのできる景色はフランスのミシュラン社が発刊している「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で星2つを獲得したほどの絶景ですよ!
初めての登山を良い思い出に!登山の基礎知識を覚えて山登りを楽しもう
初めての登山には不安がつきもの。
「どんなルールがあるの?」
「何かマナー違反をしてしまわないかな?」
と、考えてしまいがちですよね。
しかし、挨拶や山の登り方といった最低限のことさえ覚えていれば、山は誰でも迎えてくれます。
細かいことは気にしないで、
「山に登りたい!」
という自分の気持ちに素直に従ってみればいいのではないでしょうか?
くれぐれも怪我に気をつけて、登山ライフを楽しんでください。
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