季節ごとの登山,冬の山,秋の山,春の山,夏の山

日本には四季があり、山にも四季があります。
同じ山を登るにしても季節によって様々な景観を味わえます。
季節毎の山の楽しみ方をご紹介いたします。

もくじ

夏の山

多くの山が山開きとともに本格的な登山シーズンに突入します。よほど標高が高いか、北方にない限り雪も溶け、高山植物が咲き誇り、最も山の生命力を感じさせてくれる季節です。クロユリ、ニッコウキスゲ、ヤマギラン、コオニユリ、カワラナデシコ、シシウド、カラマツソウ、ホタルブクロ、チングルマ、コバイケイソウなど魅力的な花々の群生は見ものです。
夏山は平地部が暑い為、ついつい軽装で山に入りがちですが、標高が高い山や北方にある山などは夏でもかなり気温が下がる為、低体温症になるケースが多々あります。夏山でも万全の備えをして山に入るのが無難です。また梅雨の時期は強い雨に降られたり、濃霧に出くわしたりする事もあります。強い雨が降った直後の土砂崩れ、鉄砲水や濃霧での登山ルートを見失ったりする危険性にも気を配りましょう。

秋の山

春や秋の登山は、まさに気温は蒸し暑くなく、寒すぎずと、最適な季節です。特に秋には日本ならではの情緒があるので、紅葉のスポットなどは、実に優雅に楽しむことが出来るでしょう。秋の山は、有名な登山コースはどこのスポットも紅葉が見ごろを迎えるために賑わいを見せることになります。

(長野・戸隠の鏡池、秋には美しい紅葉が見られる)

(11月中旬、鏡池の近くで見られた紅葉。まだ、秋の名残が残っていた)

紅葉を楽しみたい初心者にお勧めのスポットは、長野県長野市の戸隠の地をめぐってみるのもよいであろう。この地はかつて、山岳信仰を集めた霊感の漂う地として、僧侶たちの修行の場として古くから親しまれてきた。そのため、現在でもその名残からか、山沿いに宿泊施設が並んでいる。また、この地の戸隠神社は、五社に及び、中でももっとも奥地にある「奥社」までの道のりや「鏡池」は、秋になると美しい紅葉を楽しめる絶景のスポットの一つであろう。体力的に長時間の登山が難しい高齢の方にも、バスなどの公共機関での移動がある程度可能なので、ハイキング感覚で楽しむことが出来る登山の方法である。この地は、現在でも秋になると、紅葉狩りの観光客でにぎわう、絶好の登山スポットとして知られている一つであろう。
このほかにも秋の登山は実に楽しみが多く、秋の味覚に合わせて普段に満喫できるスポットを選ぶとよいであろう。

冬の山

冬の山は、積雪や冷気によって、命を落とす危険が多い登山になりがちです。初心者の人は、まず安易に挑戦しないことをお勧めします。積雪のある登山では、昔からなだれや凍死など、事故が耐えませんでした。
かつて、幕末のころ、新潟の長岡藩の下級武士で後に筆頭家老まで上り詰めた「河井継之助」は自分の意思を貫くために、合えて積雪が厳しい新潟の越後山脈を下山していったという描写が司馬遼太郎先生の小説「峠」に描写されています。その小説の中で当時から死亡事故が多く「狂気の沙汰」と取り上げられていますが、まさに冬の登山にはこのような危険が付きまとっているのです。
冬の登山をするに当たって注意事項は、まずは防寒対策をしっかりすることです。この点が不十分ですと、命に関わることになります。また、下着などもしっかりと予備を持っているかを確認してください。意外と冬の登山でも歩き始めると汗がむしばみます。これが冷えてくると逆に体から体温を奪うことになってしまうからです。また、装備は重くなりがちですが、出来る限り軽くするように心がけてください。出来る限り無駄なものを省き、軽量化することによって、登山での行動をスムーズにすることになり、万一の体力の温存など備えにも繋がっていきます。

(新潟県から見た越後山脈・江戸時代以前には冬の登山で多くの人が命を落とした)

春の山

山の春は平地部より遅く、まだ雪も多く残っています。
雪解けとともに野生動物は冬眠から目覚め、多くの花々が咲きだします。カラスノエンドウ、キキョウソウ、スミレ、タンポポ、カタバミ、ゼラニウム、山腹や高原などに咲く、春の花の群生には芽が癒されます。

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